親の影響ってのはすごいなと大人になるにつれて感じるけれど、
私がテレビでフィギュアスケートを観るのが好きなのも、親の影響だと思う。
いつも、大会が始まると我が家ではフィギュアスケートをみんなで観ていたからだ。
ただ、田舎に住んでいたので、テレビ観戦しかできないと思っていた。
しかも、テレビに映る観客席は満席なので、たとえチケットが発売されていても、
人気歌手のように即完売っていうイメージを持っていたから、ジャニーズかなにかのチケットを取るみたいに難しいと思っていた。
昔よりもスタースケーターは多くなったので、余計に無理だと思っていたけど、
運よくアイスショーを見に行くことができた。
友達が行こうと誘ってくれたんだけど、そんな簡単にチケット取れた?って正直拍子抜け。
そうか、取れたのか。
大げさに驚いた。
はじめてみる生フィギュアスケートのショー。
野球みたいに、テレビで見た方がいいかなっていう気持ちも少しあるけど、
有名選手がすぐそこで滑っているという臨場感は感慨深かった。
クラッシックな雰囲気で、すごいスピードで滑っているのだけれど優雅。
はー、ため息が出るくらい美しい身のこなし。
存在が美しい。
華やかで繊細で力強くて、魅力的で。
ペアはアクロバティックな部分が圧巻で、
素晴らしい!としか言えない。
多くの人が知っているオリンピック選手や、海外の有名選手が勢ぞろいだったこともあり、とても見応えがあった。
そういえば、女性ってよく「王子様」を妄想するものだけど、
私の「王子様」の原点はこのフィギュアスケートだと思う。
すらっとした見上げるほどの身長で、びっくりするほど長い足、小さく整ったやさしく紳士的な顔立ち。そして、胸元にはふりふりがついたシャツ。
別に白馬に乗ってこなくったって、
その存在だけで「王子様」。
そんな私の憧れの存在が、目の前にいると思ったら、
もうスキー場での出会いのように大いに勘違い妄想しまくり。
フィギュアスケート自体が遠い存在だったのが、ぐっと近くなった。
田舎育ちの私は、改めて思った。
狭い世界にいると、なにもかもの存在が遠く思ってただけなんだと。
大人になっていろんなことを見たり聞いたり足を運んだりしたら、
不可能も可能になるんじゃないかと
ショーのきらびやかもさることながら、そのくらい大げさに言えるほど固定観念があったことに衝撃を受けた。
そうか、なんでもすぐそこにあるのに無理と思ってただけ。
壁だって思ってたことが扉だったってことだった。
まだまだ感動することも美しいと感じるものもたくさんあって、見ることができることを親に教えてあげよう。
いい歳して気付いたけど、
もっと見聞を広めていかなければいけないね。