上司が亡くなった日、一日中なんとなく落ち着かないし、なんだか集中できないし、泣きたいし、それに誰かと喋って気晴らしがしたかった。
でも、会う人いないし、会いたい人いないし。
どうしようもなく、いつもと違う夜を過ごしたかった。
でも、変化のない夜で、なんかやるせなくなんともできない。
ふと、好きだった人を思い出す。
どストライクで、好きすぎて、あいどるみたいに好きという気持ちだけで充分だった。
上司は、思いがけなく命を落としてしまったので、そう思うと、
彼を諦めなくても、前みたいに好きという気持ちだけでいいと思い直せた。
そう思うと、いつのまにか連絡していた。
やっぱり好きだから、ずっと我慢してたのを今更ながら実感してなんだか笑えた。もしかしたら返事はないかも、そう思いながら。
でも、彼は私の期待どおりの答えで割と早い返事をくれた。
彼はなにも言わない。
私も言わない。
二人ともたぶん、このままずっとこうなんだろうなと思ってるはずなのだ。
だから、また切れた糸を繋げてくれた。
上司の死は受け入れがたく、人生なにがあるかわからないことを学んだ。
自分からさよならしなくてもいいんだ。
縁のある人は、そばにいてもらう。
彼が許してくれたのは、それをすでに感じていたのかとちょっと過信気味に考える。