いつのまにか更年期と戦っていた

これって更年期?と思うことや、勝手に更年期だからと決めつけたりしながら日々過ごす独身会社員のつぶやき

ドストライクは盲目ではないので忘れるのにエネルギー使う、の話。

大好きで大好きで、というか、

見た目から何から何までドストライクのタイプだった人がいる。

このブログはその人のことを書くことから始まっていたくらい。

 

年下だった。

彼は年上の私と仲良くしてくれた。

 

それから、もう6年が経つ。

 

出会った直後から、お互い会わないでおこうと何度も連絡を断ってはいつの間にかまたどちらともなく連絡をし、どれだけ久しぶりに会ってもついこの間会ったかのような、あまり他人行儀にならない人だった。

 

たぶん、私も彼も、

自分と話が合う人は少ない、と思っている。

というか、誰しもそうだろう。

二人とも、この人とは合うなと思っていたからこそ、ずっと続いている。

それが、ドストライク、ということか。

 

ただ、彼は、私とは付き合う気も結婚する気もない。

私も、大好きで大好きで仕方ないけれど、別に付き合ってなくても通じるものがあるからいいと思っていた。

変な関係。

ドストライクなのに、付き合わない。

変な関係。

学生か!ってツッコミたくなる。

 

月日が経って気になりだしたのは、彼の婚期。

周りの人が結婚してくると、きっと彼も結婚のことを考えるだろうと推測をする。

 

彼女の立場で考えた時、自分以外に誰かがいるのはいやだろう。

多かれ少なかれ、存在が気になるだろう。

そう思うと、私から去っていかなければ。

その辺は、年上のつらいところで、察してあげなければならない。

 

察するも何も、自分が年上だからという理由だけで好きな相手を諦めるのはどうかと思いつつも、若さ以外に私自身に魅力があるか?と考えた時、思いつかなかったのだ。

 

大好きな彼と出会った時、

彼情報を調べてみたことがあった。

若かりし頃に彼のことを書いていた女友達のブログを発見。

どうやら、その人は海外へ飛び立ったようだった。

 

 

彼と出会ってすぐに、彼は海外赴任が決まった。

そのころは大好きが止まらなくて、海外赴任を告げられた時はとても寂しかった。

海外生活をする彼は、たまに帰ってきた時に会ってくれたし、

ときに「海外赴任を希望する人が他にいなくて、忙しすぎて(希望したこと)失敗したなと思う」とも言っていた。

 

空港に着いてからすぐに家にきてくれたこともあったし、

付き合ってるわけではなくても、

もともとドストライクなわけだから、

会うのはいつもうれしかった。

 

ちなみに、彼も

年上の私のことを

ドストライク、と言ってくれ、

お互い、めちゃくちゃタイプだということは、理解済み。

 

そんな彼は、

ついに、春に私に重大告白をしてきた。

結婚する

かも

と。

 

ついに、きたか。

ついに。

 

私たちは付き合ったり、結婚するとかは考えていないとはいえ、

実際に相手に誰かがいるとなると、やはりつらい。

 

他の誰かに目を向けることだから。

他の誰かと、笑いあってるわけだから。

普段から誰かがいたとしても、言葉にされたらもう終わりを感じるしかない。

 

連絡しないように、は、できない。

相手にちゃんとお別れをいうしかない。

 

切ない気持ちで私から去っているのに、何度も

彼はまた連絡してくる。

たわいのない話。

 

ドストライクの罠。

また、連絡し合う。

 

連絡先を知っていても、連絡しなかったらいい。

というのは、通用しない。

 

先日

やっと、忘れてきた。と思って、つい思い出したら、

なぜかまた彼が連絡してきた。

おそるべし、ドストライク。

 

もう、会わないと決意もしていたし、

連絡もしないというそれは、もろかった。

 

彼と会ってしまった。

 

 

会った時間は2時間もなかった。

変わらず彼は飄々としていて、彼女の姿を感じるところは見当たらない。

でも、どこか前と違ったのは感じて、

次の日改めて、問い詰めてみた。

(春の時点で)結婚するって言ってたことを。

 

「結婚するであろう、彼女がいる」

そんな言い方。

本当に彼女なの?って疑いそうな感じ。

 

「俺以上に、日本にいないから(なかなか話が進まない)」

 

その一言で、全部がわかった。

なんてこんな時に私は勘がいいのだ?

 

 

相手は、

ずっと前に見つけた、ブログの彼女。

彼女は海外で働いていて、彼も同じように会社に海外で働くことを希望したわけ。

 

ブログは学生時点だったはずなので、もう長い海外生活。

彼も「日本で日本人と付き合っていくのが苦手」と言ってるくらい海外が多い。

もうずっと前から彼は彼女のことだけを追いかけて、

彼女に負けないように、努力していた。

 

私と出会ってからもう6年経って長いと思っていたけれど、

彼女はもっと長くて、それはもう一途としか表現できない域。

 

リスペクトしている相手なのかと痛感した。

彼女を幸せにしてあげてねと、苦し紛れに伝えると即答で「もちろん」

 

2時間にも満たない再会を振り返っても、

考えてみれば、彼の喋る内容や、持ち物なんかが

どこか彼女に通じるものがあった。

出会った頃からずっとしている足首のミサンガは、

たぶん彼女からのプレゼントなのか、もしくは、二人のこの先のための願掛けなのかと

察したりした。

 

私には、別段冷たくはない。

ほんの少しずつでも、前よりも大人になって優しくなってる気はしていたけれど、それは彼女とうまくいっているからなのかとも思えた。

 

その事実、優しく受け止めてあげなければならないのかと思うと

やっぱりつらい。

いつの間にか「何が知りたいの」と聞かれるほど話を突っ込んで聞いてしまったし、

そんな返しをされたら、もう話す気力もなく。

 

途中で

「結婚するかどうかわからないけど」と言い直していたけれど、

「結婚するであろう人」は「結婚を考えている」ということ。

 

それでも私たちは、お互いドストライク、だからね。

以前から私に「結婚してもいてほしい」と条件をつけていたし、

私も、ずっと縁を繋げていきたいと思っていた。

 

(結婚は)子孫繁栄のため、と彼は言っていたけれど、

やっぱり結婚するというのは、共同生活。一緒に生きていくということ。

その相手として、私じゃなくて、彼女だったといのは、

納得はするけれど、やっぱり嫌だ。

このまま続けていこうと言ってくれても、一緒に生きていく相手じゃない。

恋愛と結婚の違い、というやつか。

 

それに、私は奥さん向きでない上に、

海外で仕事をしている人と比較されたら、何一つ勝ち目はない。

年齢も、全て。

全部、勝ち目がない。

 

今度こそ、彼とは連絡を断つ。

連絡先を消すと宣言し、一方的に終わった。

これ以上は、私が惨めになるから。

ドストライクを切るのは、毎回本当につらい。

 

神経を消耗するからとても疲れてしまう。

その後の何日かは仕事が夜遅くまで続いて、クタクタになって、

つらい気持ちになる瞬間もなかった分、よく働いたから体が消耗した。

 

一日寝て、

彼に再会したことを記憶から消してみた。

彼には会わず(ずっと前に)気持ちよく終わったんだと言い聞かす。

 

それでも、縁を切ろうとすることはなかなかエネルギーがいる。

今まで出会った人と会わなくなることはたくさんあるのに、こんなに

強制終了がしんどいのは、ドストライクの彼だけ。

 

もう終わろうと思ったひとつに、

「俺は大したことないから」と言い出したこと。

 

そんなこと言わないで欲しかった。

そんな大したことない人を、彼女と私二人もが好きでいるんだよ。

大したことない人を好きになるわけないじゃない?

 

海外赴任を経て今は日本にいる方が多くとも、

海外担当には変わりなく頑張っているんだから。

 

大したことないんだという言葉の裏には

もう止してくれも含まれているとしたら、

これで

終われるのかと思った。

 

でも、出会えてよかった。

年上の私に、いろんな魔法をかけてくれたから。

ドストライクゆえ完璧に盲目になれた。

 

いや、これは盲目というのだろうか。

次会うまでに長い時間があって、冷静に考えてきた。それでも、

どうしても好きだった。

揺るぎないドストライク。

 

彼女のことと同じくらい、年上の私も捨てがたいとまで話していたことを思うと、彼も私のことは大切にしていたんだろう。

 

ありがとう。

 

別れ際必ず振り向く彼を毎回、このシーンを忘れまいと目に焼き付ける。

改札に入って、振り向いた彼は、とてもとても素敵だった。

 

バイバイって手を振る。

また、会える。

まだ続くと期待しながら、別れる。

 

いや、彼のしあわせを願ってあげなきゃ。

また力づくで忘れる努力をしなければ。

 

とりあえず、彼のことは引き出しに大切にしまうとする。